現在の太陽光発電ビジネスは・・・?

2021年に太陽光発電所取得に動いた当社ではありますが、投資目的という要素はあまりなくあくまで研修・検証のため。

では『ビジネス』としての『太陽光発電所』は今現在買い案件なのでしょうか。

今回はその点について調べてみたことを書いていきたいと思います!

大前提の固定価格買取制度(FIT)とは

経産省資源エネルギー庁が管轄している「固定価格買取制度(FIT)」は売電における大前提の制度。それって何・・?

太陽光発電の固定価格買取制度が始まったのは2012年、色々と種類はありますがざっくり説明すると太陽光発電は”住宅用(10kw)

未満”と”産業用(10kw以上)”に分けられ、それぞれの発電した電力(kwh)を決まった一定期間と金額で電力を買い取りますよ!と

国が決めた制度です。そしてその買い取る原資は国でもなく電力会社でもなく、私たち電気利用者・・・!

各家庭に届く電力明細に記載されている再エネ賦課金”。疑問に思いつつもあまり調べることはなかったのですが、この固定価格買取

制度を支えている原資となっていました。

国が決定したことなのに、なぜ国民が・・・?と感じますね。しかし電力を使用している人に負担させるという考え方のようです。

※固定価格買取制度は太陽光発電に限らず、風力・水力・地熱・バイオマス発電など「再生可能エネルギー」に適用されます。

固定価格買取制度の金額推移

2012年に産業用(10kwh以上)の太陽光発電ビジネスが走り出し、開始当初は”固定買取価格”も高く、コスト回収がほぼ確実に可能で

投資回収年数が現在よりもずっと早く、投資家の方々がたくさん参入してきたことは間違いありません。(うらやましい!)

固定買取価格は年1回見直され、それに伴い再エネ賦課金の金額も変動します。

出典:工事屋さん.com

上の表からわかる通り、固定価格買取は下落する一方ですが再エネ賦課金はというと・・・・

出典:北海道電力(全国統一価格)

増額する一方です。これは、これは太陽光発電含めた「再生可能エネルギー」に次々と参入する企業・個人が増え、

買取価格は前述の通り金額期間が固定されているため必要な原資が増え続けているということです。

なぜ固定価格買取制度が始まったの?

日本のエネルギー自給率の低さ(2018年で11.8%)、2015年のパリ協定、そしてきっかけは2011年3月の東日本大震災において原発

事故がきっかけとなり「再生可能エネルギー」が注目され、国としても推進を掲げ始まったのだそう。

原子力は便利ですが、同時に恐ろしいものだということを実感しました。

再生可能エネルギーの導入が進まない要因は”導入コストの高さ”=”収益性の低さ”であったため、国の制度として設置すると費用対効果

を得られるような仕組みとなっていました。なのでコスト回収と収益はほぼ確実という投資にはもってこいの事業だったのです。

現在の固定価格買取制度は?

ここからは産業用発電所(10kW以上50kW未満)を例に話を進めますが、制度開始当初の買取価格は36円/1kw

しかし太陽光発電所が増えるに反比例して買取価格は徐々に下がり続けて2021年は12円/1kw・・・!

3分の1にまで下落しました。

ここまで発電した電力をすべて売る『全量売電』を前提にお話ししていましたが、2020年度に大きな制度改正があり、

現在(2022年)家庭用・産業用低圧発電所(50kW未満)は『余剰売電』での契約のみになりました。

(※例外あり、また50kw以上は全量買取)

参考:ソーラーサポートセンター

余剰売電とは・・・

読んで字のごとく、諸条件がこれまで以上に増えかつ発電し自家消費(30%以上)し余った電力のみ買い取り。売れるのは最大で総発電量の70%になります。

さらに出力制御もあり!

2017年の改正で発電事業者が増えたことで電力が飽和状態になる可能性が出てきたことから、”出力制御”も前提条件に加わっています。制御機器を取り付けて建設を行わなければならず、制御を求められた際には応じなければなりません。

ということは、2016年度までに契約しておけば家庭用や低圧発電所でも全量買取で出力制御もなく、100%売電できたのですね・・・!(泣)

これからの太陽光発電所購入とは

これまで述べてきたことを踏まえると、2020年度以降契約の太陽光発電は、費用対効果が見込めるのかさらに事前にしっかりと

シュミレーションをする必要があると思います。

住宅の屋根や工場・店舗用に”自家消費”することで固定費が浮く分で回収できれば良いのですが、遊休地や離農後の田畑を利用した

野立ての太陽光発電所となると、高圧(50kw以上)でなければなりません。

パネル自体の価格低下と発電効率が向上しているとはいえ、kwが増えれば広い土地とたくさんの設備等イニシャルコストがかかり

ます。その資金調達や維持管理費用なども比例して高額になるため個人や小規模企業が購入するのは難しいですよね。

2022年現在購入するとしたら・・・

固定価格買取制度の申請・申し込み・決定から設備建設・発電開始までは猶予期間が設けられていますので、

2019年度以前にFIT契約し未稼働(未建設)発電所を購入する

太陽光発電所を販売する事業者は、予め土地を選び申請だけを通しておいて、購入希望者がいた時点で建設→売電開始という流れになっているようです。当社購入物件もそうなのですが、出力制御はあるものの頻繁にはないだろうという予想で稼働開始から20年の固定価格買取価格にて収支計画を立て、購入に至りました。(2019年度のFIT契約となります)

☟取得経緯はこちらから

初の自社太陽光発電所を建設中です!-経過❶-

太陽光発電事業に携わって10年ほどになりますが、ようやく自社所有の小規模発電所を取得しました。 2021年11月より建設を開始し、2022年2月現在もほぼ完成間近ですが建設…

FIT契約がまだ残っている中古発電所を購入する(引き継ぐ)

初期投資回収が済んだり、所有している事業者が破産、節税のために購入したため売却したい等々、探してみると以外と中古物件も出てきます。中古であるが故のリスクもありますが、収益性が見込まれるのであれば「要検討」でしょう!

どこで購入できる?

インターネットの検索でたくさんヒットしますが、地域による気候の差が太陽光発電所は大きいので、建設希望地の地元企業に問い合わせるのが一番かと思います。北海道でいえば雪害も考慮しなければなりませんし、同じ北海道内でも場所により年間日照時間・降雪量は調べると結構違います。その土地のことは、その土地の者に聞くのが一番確実です!

まとめ

長期間安定した収入が見込まれる「太陽光発電ビジネス」ですが、高圧発電所でない限りビジネスとしては一旦終了に向かい始めて

いるのではないでしょうか。

国としても現在は住宅屋根への導入率を高める方に力を入れいる様子もありますし、制度も常に改正されたりと変更があるので注視を

続けつつ過去の契約案件のチェックしていくことで、また機会が巡ってきたり掘り出し物に出会えるかもしれません!